巡礼者の一団のなかに騎士見習いの従者がいました。チョーサーは従者について、「私の思うに この男 まごうことなき 森の人」と語っており、また、「矢羽を上に 持ち歩き、その手に 剛弓 握らるる」との描写もあります。
ある日、街道沿いの、とある旅籠屋に立ち寄った時のこと。旅籠屋の外の壁に「市松模様[チェッカーズ]」の古い看板がかかっていました。そこでこれを使って、一同の目の前で、従者にその腕前を披露してもらおうということになりました。従者はこれに同意し、状態の良さそうな矢を九本選び終えると、こう告げました。

「それでは皆様、お立ち会い願います。いまから九本の矢を放ち、「チェッカーズ」亭の看板の各マス目のまん中に、次々に命中させてみせましょう。しかもこのとき、的に当たった矢のどれをとってみても、他の矢と一列に並んでいないようにしてみせます」
挿絵にあるのが矢の放たれた結果です。縦・横・斜めのどの方向をたどっても、刺さっている矢は一本だけです。従者はこう続けました。「さて、ここで皆様に謎掛けをひとつ。このうちの三本を引き抜いて、隣のマス目に移動させ、やはり九本の矢が他の矢と並んでいない配置にしていただきたい」
従者が「隣のマス目」と言っているのは、矢の刺さっているマス目に隣接する、上下・左右・斜めのマス目のことです。
解答を見る 訳注:
画像が見にくいなあ。九本の矢の刺さっている位置は、左から順に、以下の通り。
7, 4, 1, 9, 2, 6, 8, 3, 5
各数字は上からたどったマス目の位置です。